本当に A/B テストが必要ですか?

20240-04-01

A/B テストをやる意味

みなさんはどうして A/B テストをやっているのでしょうか?業務プロセスとしてお決まりだからやっているのでしょうか、というのはちょっと意地悪な聞き方でしたね。もちろんそういった側面もあるでしょうが、本来はデータドリブンな意思決定を行うためにやっているはずです。

そもそも A/B テストとは、製品やサービスの異なるバージョンをランダムに分割したユーザーグループに提供し、どちらがより良いパフォーマンスを示すかを定量的に評価する方法でした。このアプローチにより、デザインの選択や製品機能の変更、マーケティング戦略など、さまざまな意思決定をデータに基づいて行うことができるわけですね。

大きな A/B テストの利点は、主観的な意見や経験からくる推測ではなく、実際のユーザー行動に基づいて意思決定を行うことにあります。これはユーザーの声を直接聞くことに等しく、リスクを最小限に抑えながらアイデアを検証することができます。

裏を返せば、ユーザーの声が収集できない、もしくは収集する必要が無いようなものは A/B テストをする必要も無いということです。

A/B テストがいらないケース

A/B テストが必要ないであろうケースはいくつか考えられます。

プロダクトの初期フェーズ

プロダクト開発の初期フェーズでは、ユーザー数が少なく、十分なデータが集まりません。そのため、A/B テストを実施しても有意差がうまく検出できないでしょう。この時期は、ユーザーインタビューやフォーカスグループなどの定性的なフィードバックがより有効です。

プロダクトのコンセプトから導出される施策

プロダクトの核となるコンセプトや哲学から導出される施策は、A/B テストを必要としない場合があります。これらはブランドのアイデンティティやビジョンに基づくものであって、ユーザーの意見に左右されるものではないでしょう。例えばコンセプトカラーなんかがそうです。顧客の好みや流行などとは関係なく、ブランド哲学が反映されるようなカラーが策定されるのが理想です。

evil な仕様を取り除くケース

ユーザー体験を損なう可能性のある機能や施策は、A/B テストをせずとも除外するべきです。ユーザーの信頼を損ねたり、ブランドの評判に影響を与えるような機能は、速やかに取り除くことが最善でしょう。アプリのグロースハックのテクニックとして通知バッヂを表示するというものがありますが、ユーザー行動が促進されて見かけ上は向上する指標もあるでしょうが、結果的にはユーザービリティを下げることに繋がります。

まとめ

A/B テストは、データに基づく意思決定のための強力なツールです。実際のユーザー行動に基づいて製品やサービスを最適化することで、リスクを抑えつつ、効果的な改善策を見つけ出すことが可能になります。しかし A/B テストはあくまでツールの一つであり、その有効性は使用するコンテキストによって異なります。適切な場面で賢く使用することで、製品やサービスの価値を最大限に高めることができるでしょう。